2017卒の就職活動は一体、どうなるのか?

 11月9日、経団連の榊原定征会長による記者会見が行われ、2017年4月入社予定の学生から採用選考解禁日を、現在の8月よりも2ヵ月程度早め、6月へと変更する方針を打ち出しました。

 11月15日時点では、未だに大学側は難色を示しているものの、いずれにしても企業や学生側はスケジュールが変更になった際に備えることが重要になってきています。今後は政府や大学関係者との協議や調整を経て、11月中には結論を出したいという方向性で進んでいる経団連に対して、全国の国公私大でつくる就職問題懇談会は再度見直しに反対姿勢を示しています。

 今回はそんな未だ確定せず二転三転する就職スケジュールの見直しにについて、今年の就職・採用事情の整理とともに、今後もしスケジュールが変更になれば、どのような事態が起こりそうか予測してみたいと思います。

約8割の学生「後ろ倒しはマイナス」
学業の時間が増えた人は8%のみ

 現在、多くの企業や2016年卒の学生が翻弄されている就職活動の後ろ倒しですが、具体的なスケジュールは下記のようになっていました。

<2016卒(新4年生/修士2年生)の大まかな就活スケジュール>

3月~:大手就職情報サイトなどで採用・イベント情報の解禁(2015年卒は前年12月~)
4月~:企業説明会(2015年卒は1月~)
5月~:エントリーシート提出、選考(筆記試験、グループディスカッションなど)
8月~:選考・内々定

 詳しくはこの連載の第24回「就活後ろ倒しで拡大する「就職格差」 8月選考開始のはずが現実は“採用前倒し”!?」で記載していますので、ここでは簡単にしておきますが、実際にスケジュールが変更されたことにより学生と企業へはどのような影響があったのでしょうか。

 まずは学生への影響です。マイナビの発表している『2015年度(2016年卒)新卒採用・就職戦線中間総括』によると、「中小企業から選考を受けることで視野が広がった』という意見や「業界研究・企業研究の時間が増えた」、「内々定を保有した状態で意中の企業の選考を受けられた」という意見が出ています。

 これらは中小企業にとっては大量辞退の要因となった可能性もありますが、学生にとってはメリットになったケース少なくなかったようです。