「こんにゃくは家庭において、基本的に『煮る』など何らかの調理をしないと食べられない、と言われてしまうんですよね。忙しい現代人にフィットしていない。だから我々は、いかに手軽に食べられるかを考えないとダメです」

 そこで茂木さんは画期的な商品を開発した。

「携帯できる」こんにゃくである。

茂木食品工業「おつまみこんにゃく ちょこっと『酢っぱ』」。ちょっとグミっぽいプリッと感で食べだすと止まらなくなる。女子に人気

「おつまみこんにゃく ちょこっと『酢っぱ』」は、梅しそ風味の調味液につけて、半乾燥させて個包装。漬け込み液がなく、「持ち運び」できるという画期的な「こんにゃく商品」で駅の売店やサービスエリアでも好評だ。これならドライブでも食べられそう。

 さらに昨年、こんにゃくの常識を覆す、茂木さん渾身の2年半がかりの力作が誕生した。

「柔らかこんにゃく」

 キャッチコピーは「歯ぐきで砕ける」「舌でつぶせる」。

 こんにゃくのプリプリ感をいっさい却下した商品は、介護食として開発された。こんにゃくといえば、高齢者には餅並みに危ないとして排除されているが、世代的にやはり「煮物にこんにゃくがないと寂しい」。調理の際には崩れることなく扱えるのに、口の中に入れるととろけるという驚きの商品は、県内の介護施設で続々と採用されているという。

「こんにゃくは脈々と日本の食文化に根付いているものだから、食べやすくして、食べるチャンスを増やすかを考えることが大切。こんにゃくは年をとっても食べられる。逆に言えば、離乳食にも使えるんです」

 ゆりかごから墓場までこんにゃく…。

「たかがこんにゃく、されどこんにゃく。すごいんですよ、こんにゃくは」

 また同社の通販サイトでは「プラス1食こんにゃくダイエットセット」も人気だ。単に食事をこんにゃくに置き換えるのではなく、これまでの食事にプラスしてこんにゃくを食べることで、我慢せずに「低カロリーなこんにゃくで、満腹感を得て、便通改善など健康的なダイエット」を提案。飽きることなく続けられるように、味も食感も異なる商品が豊富な同社ならではの麺など、1ヵ月分をセットしたもので人気を呼んでいる。

「1ヵ月で2キロ痩せた、体調がよくなりましたなどの、喜びのお便りをいただいてます」(茂木さん)

 だそうである。やはり、こんにゃくの大きな魅力は「ヘルシー」なことだ。「低カロリーというだけではありません」と群馬県農政部ぐんまブランド推進課の大井さん。こんにゃくは食物繊維が豊富、カルシウムも摂取可能、便通を促進、血中コレステロール値を改善にし、糖の吸収を抑制糖尿病予防にもよく、女性にとっては美肌に役立つ、こんにゃくセラミドも含むなどなど、さまざまなパワーが秘められている。

 しかも七変化。

 日本が誇るスーパーフード・こんにゃく。ヘルシーさを売りに群馬のこんにゃくは海外を目指しはじめていた。

<取材ご協力>
北毛久呂保
茂木食品工業