2007年に創立90周年を迎えたニコン。「期待を超えて、期待に応える」。まだ顕在化していないニーズを汲み上げて提案する、という決意が込められた新たな経営ビジョンは、かつての“技術一辺倒のニコン”からの脱却を宣言している。苅谷道郎社長の構造改革で蘇った同社の次の課題は、新規事業の育成である。

中期計画を前倒しで達成 5年前の赤字転落から業績は急回復
 創立90周年を迎える2007年度は、ニコンにとってまさに記録ずくめの年となる。

 まず、2007年のデジタル一眼レフカメラの国内販売台数シェアで43.8%を獲得、キヤノンを抜き首位に立った(BCN調査)。2月に上方修正した2007年度通期業績見通しは、売上高9700億円、営業利益1330億円で、過去最高を更新する見込み。また、2006年3月に策定した中期経営計画の2008年度の目標は前倒しで達成、2007年5月に新たに掲げた2009年度の営業利益目標をも上回ることになりそうだ(右のグラフ参照)。

 

 

映像と精機に依存する事業構造
 業績の上方修正を牽引したのは、デジカメなどの映像事業だ。米国市場がサブプライム問題による景気減速で冷え込むなか、同社は高付加価値のハイエンドモデルに注力。ローエンドモデルの熾烈な価格競争から距離を置いて順調に販売を伸ばした。中国などの新興国市場でも、1月までの累計で前年度比60%伸ばし、通期の売上高は同27%増となる見込みだ。