現場から戻ってきたスタッフたちが集うエリア警備の事務所内

 その働き方も、気が向いたときに、月に1回くらい、仕事に来るという当事者もいる。その当事者は元々、駅に行くことも1人ではできなかった。

「生活を変えたい」という動機で応募してきたものの、事務所で社長とも話さず、5~6時間ずっとテレビを見ていた。スタッフたちも気にしないでいると、この空間を好きに使っていた。そんな“新入生”も、いまでは毎日働きに来るようになった。掃除や宴会にも欠かさず参加するまでになったという。

「実は、まったく未経験でプライドの高い人ほど、認めてほしいというところがあって、一生懸命働いてくれて、お客さんにも恵まれているのか、ウケがいいんです」(松本取締役)

 日給は1日約8000円。決して高くはない。

 ただ、現場が終わると、みんなここに帰ってきて、上下の関係なく、特別視することもなく、友人のように一緒に会話する。そんな中で、引きこもっていた人が堂々と「引きこもってました」と宣言もできる。

 このような「全員で見守っていて、フォローできる」という会社のスタッフの温かい雰囲気が、当事者たちが社会につながるきっかっけをつくり出しているのかもしれない。

 同社では、現在もスタッフを募集中だ。

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