県内の「ひきこもり」該当者のうち、40歳以上の占める割合は6割を超えるという衝撃的なデータが、山梨県の調査で明らかになった。
このところ、山形県や島根県でも、40代以上が半数を超えるという同様の調査結果が相次いで発表されており、引きこもり状態にある人たちの高年齢化の傾向は、ますます進んでいることが改めて裏付けられた格好だ。
「40歳以上」「5年以上」が6割超
高年齢化、長期化が浮き彫りに
山梨県の調査は、今年7月、県内に担当地区を持つ民生委員や児童委員2337人に対してアンケートをとる方法で行われ、8割近い1851人から回答を得た。
調査を行った県障害福祉課の心の健康担当によると、10月9日に「山梨県ひきこもり相談窓口」が開設されたことや、4月から生活困窮自立支援法の施行を受けて、市町村でも「ひきこもり施策」を具体的に進める中で、身近な地域で継続的な支援ができるようなネットワークを構築することになったという。そこで、県内に支援を必要としている人がどのくらいいるのか、どのような人たちがどのような背景で引きこもっているのかを把握するため、調査を行った。
今回の該当者である「ひきこもり等の状態にある者」の定義は、概ね15歳以上で、<社会的参加(仕事・学校・家庭以外の人との交流など)ができない状態が6ヵ月以上続いていて、自宅にひきこもっている状態の者><社会的参加ができない状態が6ヵ月以上続いているが、時々買い物などで外出することがある者><ただし、重度の障害、疾病、高齢等で外出できない者を除く>としている。
調査結果によると、該当者の総数は825人で、人口当たりの割合は0.11%。アンケート全数の回答があったものとして推計すると、1042人(0.14%)に上るとしている。
この割合は、最近実態調査を行った東京都町田市の約5.5%、秋田県藤里町の約1割などと比べても非常に低い。県の担当者も「アンケートに答えたのが本人ではなく民生委員等であったことから、実態の把握に限界があった」ことを認める。