ロンドンに来て1週間がたった。あらためて驚かされたのは、ロンドンを含む欧州の人的交流の激しさである。英語学校に行ってみると、生徒の国籍は、欧州各地はもちろん、アフリカ、南米などじつに多様だ。

 世界中から若い人びとが大量にやって来ている。彼らは少しでもいい仕事を得ようと必死に勉強している。ちなみに、南欧系(イタリア、スペイン、ポルトガル等)の生徒は、うるさいほど明るく元気である。

 筆者のホームステイ先にも、オランダから来た2人の若いミュージシャンが短期留学で泊まっている。1人はコンピュータミュージック、もう1人はブルース系ギタリストだ。彼らは音楽の勉強に加え、英語学校にも通っている。国際的な活動をするうえでは英語の上達が必要らしい。

 5月最後の週末に、ベルギーのブリュッセルに行ってみた。ロンドンのセント・パンクラス駅から出発するユーロスターに乗って約2時間でブリュッセルに到着する(ドーバー海峡の通過時間はわずか20分)。

 この街も移民が多い。街中の電話会社の広告は、ポーランド、ルーマニア、ウクライナ、トルコ、モロッコ、ガーナ、ナイジェリア、ルワンダ、セネガル、ギニア、コンゴ等との通話料が安いことをアピールしていた。

 ブリュッセルには欧州議会と欧州理事会がある。このためEU全域から人びとがこの街に集まってくる。政治家、官僚だけでなく、通訳・翻訳の専門家もすごく多い。