スイス「最低賃金4300円」は日本の4倍以上!低インフレでも高給が実現できる理由Photo:PIXTA

スイスの最低賃金は4300円前後と、日本の約4倍だ。高給が実現できる背景を分析すると、日本経済に何が必要なのかが見えてくる。(東短リサーチ代表取締役社長 加藤 出)

スイスの最低賃金は4300円前後!
高給が実現できる理由とは?

 日本の最低賃金は、2023年10月1日から全国加重平均額で1004円となり、初めて1000円を上回った。年々少しずつ上がっているものの、その4倍以上の最低賃金を設定している国がある。スイスだ。

 スイスの最低賃金(時給)は、ジュネーブ州で24.32スイスフラン、チューリッヒ州で23.9スイスフランである。円に換算すると、なんと4300円前後。またスイスの平均年収(2022年)は今の為替レートなら1446万円であり、日本の458万円と比べ約3.2倍に当たる。

 スイスが日本よりもはるかに高給を実現できているのはなぜか。主な理由は、次の二つと考えられる。