経験者として付け加えると、少額でも、副業の収入は嬉しいものだし、個人的な自信にもなる。「会社による自分の評価」を客観視し、相対化する上でも、副業は有効だ。こうした「社員側の余裕」を、使用者側は好まないかもしれないが、社員が本業で大いに働くか否かは、経営者側の腕の問題だ。副業禁止で退路を断って、言うことを聞かせようというのは、お粗末だ。

 組織の競争には常に敗者がいるのだし、個々の社員にとっても(もちろん会社にとっても)一社にずっととどまり続けることが最適とは限らない。社会全体としても、多様な働き方がある方がいいだろうし、経済全体の労働投入量も増加する(しかも、自発的に)ことが期待できよう。

提案その3:「転職の不利」の除去
中高年がチャンスを生かせる制度に!

 先に、社員にとって一社にずっととどまり続けることが最適とは限らないと申し上げたが、職場を変える方法として、副業への重点のシフトといった方法の他に、転職がある。

 過去と比較すると「転職」は随分増えたし、容易にもなった。しかし、一定の勤続年数を経ないと退職金や年金が不利になるような、福利厚生制度の設計が許されているなど、転職者に不利益な仕組みが少なくない。

 例えば、企業年金で積み立てた自分の資産を、別の企業の年金制度や個人型の確定拠出年金などに、「全く不利無く」移管できるような、制度的手当があることが望ましい。

 転職を抑圧するような仕組みを丁寧に除去しつつ、企業間の転職がより容易に実現できるような制度的手当を行うことが必要だと思う。

 中高年にあっても、転職市場がもっと流動的になり、自分がチャンスを掴まえたタイミングで不利無く転職を決断できるようになると、より「活躍」する機会が拡がることが期待できよう。