今後の金融市場は米国経済次第
世界経済が大幅下落の最悪シナリオも

 これからの世界経済に関して明るい構図が描きにくい。その状況を反映して、世界的に金融やコモディティ市場が不安定な展開になっている。こうした動きに当面、大きな変化はないだろう。

 株式などの下落スピードがかなり速かったこともあり、どこかでヘッジファンドなどの買い戻し=ショートカバーが入り、一時的に株式や為替、コモディティなどの市場は安定性を取り戻すことができるだろう。

 しかし、米国や中国などの景気回復が本物にならない限り、テクニカルな戻りに過ぎない。投機筋の買い戻しが終了すると、投資家のリスク回避の動きが一段と高まる可能性がある。

 今年から来年の金融市場を見ると、鍵を握るのは何と言っても米国経済だ。中国経済の減速は避けられず、米国が世界を支えられるか否かがキーポイントになるからだ。

 米国経済が何とか安定した展開を続けることができると、多くの投資家はリスクオンの動きに出るはずだ。その場合、米国中心に世界の株式市場、特に先進国の株式市場は相応の安定した展開になるだろう。為替市場ではドルが強含みになり、原油価格も反転することが想定される。その可能性は4割程度とみる。

 一方、米国経済の減速が明確になると世界経済には下押し圧力がかかる。それが現実味を帯びてくると、世界的に株式市場は不安定な展開になり、ドルも売られやすくなりドル安が進展するはずだ。そのシナリオは同じく4割程度の確立と考える。

 米国経済の減速に中国経済のハードランディングが重なるようだと、世界経済が大きな下落の渦に巻き込まれる最悪のシナリオもあり得る。そのシナリオの発生確率も無視できない。