世界でも際立って大きい
日本の株式市場の変動幅

日本の株式市場はなぜこれほど振れ幅が激しいのか急騰と急落を繰り返す日本の株価。その変動幅は世界の株式市場の中でも目立って大きい

「日本の株式市場はボラが高くて、収益チャンスが転がっている!」

 外資系証券会社のディーラーをしている友人のつぶやきだ。

 彼の言うボラとは、ボラティリティ=価格変動のことで、日本の株式市場の価格変動が大きいため、上手くディーリングすると多額の収益を得ることができるという意味だ。

 つまり、短期に売ったり買ったりを繰り返すディーラーにとって、日本の株式市場は有効な“稼ぎ場”になっているということだ。

 今回の世界同時株安が発生して、世界の主要株式市場の価格変動性は高まってはいるものの、その中でもわが国の株式市場の変動幅は目立っている。

 9月9日、日経平均株価は1343円の凄まじい上昇を記録したかと思えば、翌10日は470円下げるといった具合だ。しかも、日中の値動きも大きく、一日の高値と安値を見ると、1000円以上変動している日もある。

 価格変動が激しくなっている背景には、いくつかの要因が絡んでいるのだが、三つの要因に分けてみると理解しやすいだろう。

 一つは、中国の株式市場と時間的にかぶっていることもあり、その影響を受けやすいことだ。

 二つ目は、日本経済の基礎的条件=ファンダメンタルズに、不透明要素が多いことだ。景気の先行きを読みにくいため、株式市場の動向にコンセンサスができにくい。

 そしてもう一つは、国内投資家層の厚みなど、わが国の株式市場が持つ特性の問題だ。