工事先送りも有効!
積み立て不足解決の処方箋

「国土交通省のガイドラインによって、マンションの長期修繕計画は5年に1度、見直すことが求められています。しかし、今のようにマーケットが不安定な時期は3年に1度くらいは見直してほしい。実際、まだ見直しの時期を迎えておらず、積立金の大幅不足に気づいていない管理組合も多数あるはずです」(さくら事務所の土屋氏)。

 渋々、管理組合の理事になった人は多いはず。「自分の任期中は不都合な事実にフタをしておきたい」――そう考えるだろうが、問題を先送りすればするほど、見つかったときにできる対処は限られる。

 お金が足りないのだから、住民から一時金を徴収したり、銀行借り入れをして解決を図るというのが、スタンダードな考え方だが、問題にいち早く気づいたなら、専門家に調査を依頼して必要な工事か否かを選別して、必要な工事のみに範囲を狭めるといった解決策が有効なケースもある。

 また、行うべき範囲の工事のみを先に行い、残りは東京五輪後に延ばすという策もありだ。というのも、多くの建設業界関係者は「東京五輪後は再び、工事費が下落する」と予想しているからだ。

 管理会社は「必ず12年に1度」と催促してくるかもしれないが、「そもそも国交省のガイドラインには大規模修繕を12年に1度、必ず行えとは書いてありません」(さくら事務所の土屋氏)。

 たとえば、湾岸部にある物件と、内陸部にある物件では修繕周期が異なって当然だ。湾岸部なら塩害によって建物の劣化が起きるが、内陸部の物件なら15年、場合によっては18年周期でもOKなケースもある。