大浴場、コンシェルジュ、立体駐車場…
オーバースペックマンションの苦境

 今後のために、不必要な共用施設をリストラすることも、資金不足への有効な処方箋だ。

 現在、維持管理費用や修繕費用が高く、多くのマンションで問題視されているのが機械式の立体駐車場。かつて、車は「一家に一台」が当たり前だったが、車離れが進んだ現在では「駅から徒歩5分以内の物件であれば、総住戸数の3割も用意すれば十分」(さくら事務所の土屋氏)。ガラ空きの立体駐車場が「金食い虫」となっているマンションは数多い。

 立体駐車場を廃止するほか、駐車場管理会社に委託をして一部をコインパーキングにするなどの対策が有効な場合もある。

 00年頃に人気だった「大浴場付き」マンションも、問題多き物件だ。当時を知る営業マンたちは口を揃えて「大浴場付きはよく売れた」と振り返る。しかし、実際に住み始めてみれば、使用する人もあまりおらず、さらには高い維持管理費に苦しむことになる。

 温水プールや常駐コンシェルジュ、シアタールーム、キッズルーム、アスレチックジム、果てには楽器を演奏できる防音スタジオや住民向けの食品ミニショップ――各地のマンションで「金食い虫」と化している共用施設・サービスはたくさんある。

 こうした共用施設は、維持管理費が高くなるだけでなく、大規模修繕時にも費用がかさむ。数年に1度は住民アンケートを実施し、不要な共用施設・サービスを見直した方がいい。

 昨年末、リクルートは16年のトレンド予測の1つとして、「住民経営マンション」を挙げた。マンションは「買ったら終わり」ではない。より効率的に運営し、かつ資産価値を維持する取り組み、つまり“経営マインド”を住民一人ひとりが持つ必要がある。

(ダイヤモンド・オンライン編集部 津本朋子)