教えるのではなく、
「この言葉」を会話に盛り込もう
ビンのキャップもピンポン玉も絵に描けば同じような丸になりますが、この差異をどうしたらいいかという私の問いに、いとも簡単に円の中に矢印のような弧を描いて答えた次男は、兄の地球儀を見てヒントを得ていたのでしょう。
きょうだいでも、片方は陰影をつけるという技術で答え、片方はすこぶる論理的に記号をつけて球体を表し、個性と脳の発達部分の違いを見せてくれました。
方向感覚などは、幼児のころにこの立体感を置き換えることが身につけば、高低が変わり、東西が変わっても、頭の中でうまく整理して、いまいる自分の向きから関連させて正解を出せるはずなのです。
このような勘は、4~5歳までにつけてやると子どもの行動範囲が広がります。
遠くまで遊びにいって困るという側面もありますが、迷子にならず自分の行動に自信が出て、積極的になります。
既成の絵本の中から、迷路遊び、かくし絵などをやるのもいいですし、自分の家の見取図や、スーパーの玩具売り場の配置、駅までの道路図で、
「このごろのお日さまは真西に沈まないな」
とか、テレビの天気図などを見て、
「梅雨前線がやってくるぞ。明日は雨だ」
など、教えるのではなく、話し言葉の中に盛り込めば、いろいろな広がりを覚えていきます。