お年玉は、
お金の値打ちを教えるチャンス
(Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。
脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた、“0歳から働きかける“久保田式育児法〈クボタメソッド〉を確立。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。2008年、株式会社『脳研工房』を立ち上げ、現在代表取締役。著書に、累計34万部突破のシリーズ『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』(以上、ダイヤモンド社)などベストセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。全国からの講演依頼もあとをたたない。
【株式会社脳研工房HP】 http://www.umanma.
co.jp/
お正月。子どもにはふさわしくない多額のお年玉を手に入れることがあります。
その年ごろでは使いきれない金額の場合は、貯金させたり、親が預かったりします。
子どもたちは、うれしくないのに礼を言わされたりします。これでは、お金の値打ちを教えるチャンスを逃してしまいます。
自由に使えるお金なら、それなりのうれしさはありますが、4~5歳くらいの幼児が、万に近いお金を手に入れて、自由に使っていいというのは、一家の生活費から見てどうでしょうか。
私は他人からもらう小遣いやお年玉は、
「本当は、『お菓子でも』とお土産を買ってくる代わりに、あんたにお小遣いをくださったのよ。ママの子どもでなかったら、決してくれないものなのよ。だから、これはママがもらいます。お客様には、お茶やお食事を差し上げたりして、大事にしなくてはいけないからね」
「ママはあちらのお子さんにも、お年玉をあげなくてはならないからね」
と言って、もらった全額を取り上げました。
しかし、「おじいちゃん、おばあちゃんのは、全部使っていいよ」と話し、祖父母には前もって、子どもが日ごろほしがっているものが買える程度の額にしてもらうよう頼んでおきます。
もらったお金の使い方は、子どもの自由にさせます。
私の息子たちのときは近所に駄菓子屋があり、一定の金額の中でなにを買おうか迷い、選ぶということができ、少額でもお金を使う楽しさを知ることができました。
このごろでは、そんなお店が少なくなったのは残念です。