「なるべく正確に3分を知る」のが
なぜ、大切なのか?

久保田カヨ子
(Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。
脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた、“0歳から働きかける“久保田式育児法〈クボタメソッド〉を確立。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。2008年、株式会社『脳研工房』を立ち上げ、現在代表取締役。著書に、累計34万部突破のシリーズ『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』(以上、ダイヤモンド社)などベストセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。全国からの講演依頼もあとをたたない。
【株式会社脳研工房HP】 http://www.umanma.
co.jp/

“時”の感覚も、“におい”と同じように、3~5歳に身につけるのが効果的です。

 私は砂時計、タイマーなどを使って、「なるべく正確に3分を知る」ように教え込みました。

 この「3分」というのは、子どもの日常生活の中の洗面、あと片づけ、お手伝いなど、自分があまりしたくない、親から言われた義務の仕事などをさせるとき、3分なら飽きずに、だらだらしない時間と考え、私が決めたものです。

 お子さんによっては、もっと長くしても、短くしてもよいのです。時計を見ながら「3分」をはかって知るのではなく、ごはんを食べながら、3分経ったかなと感じたら、

「砂時計を見てごらん」

「おもちゃを片づけている間、何回砂時計をひっくり返したか覚えていて」

「3分経ったら風呂の水がどのくらいになったか、見にいってくれる?」

 といった具合です。

 他のことをしながら、時間の経過をなるべく正確に知るようにさせるため、この“タイマー”をよく持ち出し、「時」の小さな単位を身につけさせます。

「3分」を1単位として「時」の流れをはかれるようになれば、「風呂の水を10分くらいでいっぱいになるように、水道の量を調節して出してごらん」というお手伝いをやり遂げることも、5歳児だから無理というものではありません。