また日本代表としてW杯という大舞台で世界の強豪と戦えることは選手として何事にも変えられないほどの名誉であり、日当額など眼中にないはずだ。実際、彼ら代表選手はきついトレーニングに耐え、W杯で偉大な結果を残した。しかし、そうではあっても、やはり3000円という日当は敬意を失していると感じざるを得ない額だ。世間的な常識に照らし合わせても少ないだろう。

 加えて代表選手は多くのリスクを背負っている。まず立場。社員選手は全日ではないが、所属する職場で仕事をしている。合宿や遠征で職場を留守にする日が多くなれば、同僚に申し訳ないという意識も働く。そうした精神的負担も抱えているわけだ。また、ラグビーは体を激しくぶつけあう肉弾戦。筋トレが欠かせないのはパワーをつけるだけでなく、体に筋肉の鎧をまとうためにも行うものだが、それでもケガはつきものだ。その危険を顧みず、試合では命をかけて相手にぶつかっていかなければならない。そうしたリスクの見返りとしては、やはり3000円という額は少ない。

 もっともラグビー(ユニオンラグビーとリーグラグビーのふたつの方向性があり、厳密にはユニオンラグビー)は、長年アマチュアリズムを信条としてきた競技だけあって、選手にプレーの見返りとして高額の報酬を求める意識は薄い。それを示しているのはW杯だ。優勝しても与えられるのはウェブ・エリスカップという純銀製のトロフィーだけで賞金はゼロ。つまり選手は体を張って必死に頑張って優勝したとしても、得られるのは喜びと名誉だけで、報酬は無いのである。

 また、強豪国のプロ選手でも年俸は意外なほど低い。サッカーでは年俸世界一(8000万ドル=約94億円)のクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に数十億円の年俸を得ている選手が数多くいるが、ラグビーはスーパーラグビーのレギュラークラスでも2000万円から5000万円程度といわれている。

 ただ、昨年のW杯で優勝したニュージーランド代表の日当は約10万円だそうだ。優勝国を基準にはできないが、それと比べると日本代表の日当額はやはり寂しい。