補足:採る側から見た長所・短所
グループ転職には高度な駆け引きがある

 ビジネスパーソンのグループ転職の場合、受け入れ側の会社で、グループをどう受け入れるかという問題がある。

 転職者が辞めてくる会社との間で深刻なトラブルを起こさないこと、前の会社の報復措置が深刻な影響をもたらす恐れがないことなどを確認して、グループを受け入れるのは、ビジネスなのだから当然だとして、グループ転職の受け入れには長所と短所がある。

 長所は、何といっても、仕事の立ち上がりが早いことだ。グループをまとめて採用すると、既存の社員との組み合わせ、あるいは、新しい社員の追加採用をしなくても、直ちに仕事を進めることができる場合が多い。

 また、組み合わせて働いた場合に、どのような業務分担で、パフォーマンスなのかがある程度分かっているから、業績について目処が立ちやすい点も長所だ。

 他方、短所もある。グループ転職で移ってきたメンバーは、徒党を組んで派閥を形成しやすい。社内の既存のメンバーと融合させることが難しい場合がある。また、グループがビジネス上有効な何らかの「ノウハウ」などを持っている場合に、このノウハウがグループによって「ブラックボックス化」されてしまう可能性がある。グループ転職で採用したメンバーは、時に管理にしにくいのだ。

 また、グループで採用した連中は、グループで辞めるリスクがある。仕事上はひとまとまりなのだし、元々人間関係ができているのだから、グループで雇ったメンバーが不満を持った場合には、またグループで辞めていく確率は小さくない。これもグループ転職を受け入れる側が、検討すべきリスクの一つだ。

 採用する側から見て、グループ転職であっても、採用したいメンバーはその中の一部である場合が少なくない。こうしたケースでは、グループを受け入れて、意中のメンバーを上手に取り込む腕が使う側では必要になる。動く側も、採る側も、グループ転職には、なかなかに高度な駆け引きがある。