暑い季節はもちろん、寒い季節でもおいしいアイスクリーム。こんなに人気があるものも珍しい。子供の頃は食べ過ぎないように制限されていた反動からか、大人になって勢いよく食べる人が多い。
ところがアイスクリームは失敗しやすい。溶けたものが洋服を汚したり、硬すぎてスプーンを使って切ろうとしたら飛んでいってしまったり、何種類かが混ざってしまい、妙なハーモニーをつくりだしたり。
アイスクリームは上手に食べたい。美人は上手だ。おいしそうに食べている。そして、失敗が少ない。
何が上手なのか。タイミングだ。アイスクリームの食べごろは短い。その短い「旬」を大切にする。硬すぎず、柔らかすぎず、口に入れておいしく溶けるタイミングを逃さない。程よい量を知り、「旬」を逃しにくい場所を確保する。そして「旬」を捉えた美人は実にかわいい表情をするのだ。早めに食べたい気持からか口に入れる量が普通よりやや多い。それが頬を少し膨らませる。それが冷たいので少し困った表情も加わり、さらにかわいくなる。アイスクリームの「旬」には「美人のもと」が含まれているのではないだろうか。
たまに見かけるのがタイミングを見逃し、ドロドロになってしまったもの。それはもう液体に近い。アイスクリームに含まれた「美人のもと」が崩壊している。その持ち主を確認。やっぱり。
「美人のもと崩壊アイス」は危険だ。「旬」を逃すと「美人のもと」を減らすのだ。それなのにそんな危険な液体を飲む人がいる。飲み物ではないのに。それも時間をかけて少しずつ飲む。スプーンですくったり、器ごと口につけたり。おいしくないだろう。あなたの顔もそう言っている。
そんな人はあまりいないと思うだろう。実はかなりいる。頻繁に目撃する。アイスクリームに向き合うのが苦手なだけではなく、会話にもきちんと向き合っていない。姿勢が悪く、何をするにも面倒な感じ。さらに「旬」の時間を短縮させるようにアイスクリームや器を意味なく持って暖める。「美人のもと」を自ら壊しているのだ。
冷たい「美人のもと」はタイミングよく摂取したい。