昨年も数多の事件、事故、トラブルが世間を騒然とさせましたが、あなたは何が一番、印象に残っているでしょうか?そのなかで私が最も衝撃を受け、未だに腑に落ちずにいるのは「新橋の弁護士の局部切断事件」。
まだ記憶に新しいところですが、ご存じない方のために少しだけ振り返ると……報道によると加害男性の妻は被害男性(弁護士)の事務所で働いていたのですが、あろうことか2人は不倫関係に発展したようで、後日、加害男性(元ボクサー)が不倫の事実を知り、当然のごとく激怒したのです。そして加害男性は弁護士の事務所に乗り込み、弁護士へボクシング仕込みの鉄拳を食らわせ、ノックアウトした上で弁護士の局部を枝切りばさみで切り落としたという事件で、「平成の阿部定」と呼ばれています。現在、刑事裁判は進行中で、第2回の公判が昨年11月に行われたので、そろそろ3回目の公判でしょうか。
不倫男:職場内でのハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)が社会問題化しているご時勢に女性事務員をしつこく誘うなど、法律を生業とする弁護士が法律そのものを蔑ろにしたこと。
妻:夫から事の真偽を問いただされると「無理やりレイプされたの」とシラを切ったのに、本当はノリノリで女子高生のコスプレをし、変態プレイに興じていたこと。
夫:妻の女性器に男の男性器が挿入されている瞬間を思い浮かべた挙句、「局部切断」という復讐方法を思いつき、あろうことか本当に行動に移したこと。
このように夫、妻、そして不倫男のエピソードはあまりにも強烈でインパクト大。とにかく驚きの連続だったのですが、そのせいで「木を見て森を見ず」になっていないでしょうか?木とは「登場人物がどんなに『ゲス』だったのか」、森とは「妻の不倫に遭遇した場合、夫はどのように解決すれば良いのか」。木の部分があまりにも「ゲス」すぎて、皆さんの頭は思考停止に陥っていないでしょうか?何が正解だったのかというタラレバ論です。
夫からの追及をかわし、全く反省をしないのは
不倫常習者の常套手段
今回の事件はどのような結末を迎えたのでしょうか?不倫男の局部を切断することで、夫は一時、留飲を下げたかもしれませんが、どんな理由があるにせよ暴力は暴力です。暴力で問題が解決し、人を幸福にし、心が満たされるわけもなく、実際には人を不幸に陥れ、心は満たされないまま、問題(妻の不倫)は依然として未解決なままなのですが、本当にこれで良かったのでしょうか?夫はこのような結末を望んでいたのでしょうか?