>>(上)より続く

 直樹さんはそんなふうに後悔の念を口にしますが、もちろん、妻が自分の家庭そっちのけで男に入れ上げていたのなら、直樹さんも「裸の写真」を見る前に勘づくでしょう。しかし、妻は男の世話もしながら、同時に直樹さんの世話も怠らなかったのですから、無理もありません。

 世話焼きの妻が赤の他人に尽くす……それは百歩譲って妻の「ボランティア」だから許すとして、一方で男と肉体関係を持ったことについてはどうでしょうか?もはや言い逃れの余地はないでしょう。妻はどんなふうに弁解したのでしょうか?

 事の当日、男の自宅で妻は男を寝室に寝かせ、自分はリビングに布団を敷き、別々に寝ようとしていたそうです。その後、男が妻の体に触れるなどしたので、妻は強く抵抗したのですが、男が「そんなに嫌?」と言いながら性交渉を求めてきたときもはっきりと断ったそうです。

「本当に嫌!旦那にも申し訳が立たないから、そんな気持ちになるわけがないでしょ!!」

 さらに妻は就寝する前に「絶対にエッチはしないでほしい」と頼み、男が「わかった。しない」と約束をしてくれたからこそ、「これで大丈夫」と安心して眠りについたのです。それなのに男は妻が眠っているのをいいことに、約束をあっさりと反故にし、性交渉を再開したのです。妻は男に対して何度も「やめて」と言い、何とか抵抗して、その場から逃げようとしたのに、男は妻の懇願を完全に無視し、嫌がる妻を力ずくで押さえつけたとのこと。

 「結局、男ははじめから約束を守る気などさらさらなく、すべては『姦淫行為のため』だけに嘘をつき、妻を安心させ、就寝させたのだから詐欺師ですよ!」

妻の必死の言い訳に
夫はどう対処したら良いのか

 直樹さんは妻の弁明を真に受けたようで、そんなふうに息巻いていましたが、そもそも妻は当日、「実家に泊まる」と言っていたのに、実際には男の家に泊まっていたことは完全に抜け落ちているようでした。

 直樹さんは、男が最初から「就寝中に性交渉に及ぼう」と企んでいた故意犯であり、妻を裏切っても平気な顔をしている変質者だと罵られても仕方がないと、本気で思っていたのでしょう。