社内不倫が発覚したら、1年間賞与なし

「社内」不倫をしたからといって、それを理由に社員を解雇することはできません。おかしな話ですが、「法律上は社内不倫をしても解雇できない」という判例が出ています。

 そこでわが社では、社内不倫をした社員に厳罰を与えています。解雇はしない代わりに、懲戒処分にする。社内不倫が横行するのは、「社内不倫をしてはいけない」というルールをつくらないからです。
わが社の経営計画書には、社員の降格に関する規定があって、その中に、次のような一節文言が明記されています。

(1)社内不倫が発覚した場合は、事実を確認後、1等級1グループに降格とし、賞与は1年間支給しない
(2)1グループ社員は懲戒処分とする

 それでも、過去に一度、社内不倫の噂が流れたことがあります。
 あるとき、匿名の女性から、1本の電話がかかってきました。
「おたくの会社は、社内不倫を見逃しているのですか?」

 彼女は、夫(わが社の社員)の不貞をつかみ、思い余って電話をしてきたのです。そこで私は、疑惑の内容を全社員に一斉メールで流すことにした。

「社内不倫をしている社員がいる。その奥さんらしき人から会社に抗議の電話があった」

社内は大騒ぎです(笑)。
 その2人は、当然、「武蔵野において不倫は厳罰」であることを知っているわけですから、青ざめたはずです。その後、女性から電話がかかってくることはなかったので、関係を解消したのでしょう。

 ふつうの会社では、不祥事をひた隠しにします。でも私は、会社にとって都合が悪いことこそオープンにします。社員の醜聞はもとより、お客様からのクレームも、すべて社員に伝えています。

 そして全社を挙げて、「大変だ、大変だ」と大騒ぎしながら事態の収拾を図るから、規律への意識が生まれるのです。