インターリーブが大きな違いを生んだ原因は何だろう?そもそも、なぜ違いが生まれるのか?ほかの画家の作品を混ぜたことで、スタイルの違いが顕著になったのだろうか?
コーネルとビョークは、ブロック学習とランダム学習の両方を経験した被験者の意見を尋ねた。テスト終了後に質問表を配り、同じ作者の絵を続けて見るブロック学習と、ほかの作者の絵が混じったランダム学習のどちらがよかったかと尋ねた。すると、80パーセント近くの学生が「ブロック学習のほうがよかった」と答えた。
ほかの作者の絵が混ざることが覚える助けになるとは感じていなかった。テストを終え、ほかの絵が混ざることが大きな強みを生むと明らかになった後でも感じていないのだ。
「それがこのテクニックのもっとも驚くべき部分かもしれない」と、ケント州立大学の心理学者ジョン・ダンロスキーは言う。彼は、インターリーブが鳥の種類を区別する能力を高めると実証した研究者だ。「人は、ほかの種類を混ぜたほうが区別がつきやすくなると目の前で示されても、それが事実だと信じようとしない」
インターリーブについて、明らかになったことをまとめよう。複数の項目、スキル、理念を混ぜた練習(勉強)をある程度の期間行うと、個々の項目、スキル、理念の違いがわかるようになるだけでなく、個々の特徴をより鮮明につかめるようになる。そして、この効果の活用でもっとも大変なのは、一つのことを繰り返し練習(勉強)するほうがいいという思い込みを捨て去ることである。
その思い込みを捨てないとどうなるか。それは数学の点数に如実に表れる。
(※この原稿は書籍『脳が認める勉強法』の第8章から一部を抜粋して構成したものです)