こうした会計・経営管理の考え方、それを社内で運用するための最適なシステム構築を考えるという「会計脳」を経営者自身が持つことが非常に重要なのです。

競争に勝つ勝率を上げるために
他社と数値を比較する

 また、海外市場での競争に勝つにはグローバルな優良企業と戦って互角以上の成績を出していく必要があります。そのためには、これら競合と自社を徹底比較し、課題を発見して改革を行わないと勝ち残れません。

 競争に勝つ確率を上げるために、海外の企業では、自社の課題を発見する「ベンチマーキング」という手法を積極的に活用しています。業界のトップ企業やライバル企業と自社の全般的な業績や主要な財務比率、加えて個別業務プロセスの効率性なども比較します。

 ときには、業界は異なっていても、同規模であったり、優れた業務プロセスを持っている会社と比較を行い、改善すべき点を把握することもあります。

「ベンチマーキング」の活用例では、米国のある大手航空会社が飛行機の整備時間を短縮するために、F-1レースのピットインの整備チームの作業をベンチマークして、自社のプロセスを大幅に短縮した、という話があります。

 日本企業においては、数年前までベンチマーキングはメジャーな手法ではありませんでした。というのも、競合相手として国内企業しか見ていなかったため、「自社と同業他社がやっていることはそれほど変わらない」という認識を持っていたからです。

 しかし、最近になって「グローバルで最もパフォーマンスの高い企業とのベンチマーキングを行いたい」という日本企業が増えてきています。

 これによって見出される「売上高販売管理費率」などは衝撃的なレベルの差になっている場合があり、一部の日本企業ではこの差を埋めるために、過去では考えられないスピードで改革を始めています。こうしたグローバルで戦うための手法を取り入れて改革しようとする意識も、経営者にとって必要な「会計脳」の1つです。