母のように、
顧客をあれこれと心配する
「過払金の返還期限が近づいています」というキャッチコピーは秀逸。
返還期限は最終取引日から10年間だから、人によって締切は異なるはずであるが、この瞬間にもストップウォッチが鳴っているかのような臨場感を与える。
3つ目の「市場都合」の締切は強力で、反応率を大幅に引き上げることが多い。
「税率アップ」「補助金申請期限」「新しい法律の施行」などは、顧客は知らないケースがあるため、それを教えてあげるだけで、グッと売上を引き上げることができる。
【貧す人】は、自社都合だけの締切を考え、煽っているかのような悪印象を持たれる。
【稼ぐ人】は、顧客が期限までに行動しないデメリットを考え、それを避けるための最適な提案をする。
母のように、顧客をあれこれと心配することで、売上を上げているのだ。
神田昌典(Masanori Kanda)
経営コンサルタント・作家。株式会社ALMACREATIONS代表取締役。日本最大級の
読書会「リード・フォー・アクション」主宰。上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会を創設(現在「次世代ビジネス実践会」)。のべ2万人の経営者・起業家を指導する最大規模の経営者組織に発展。わかりやすい切り口、語りかける文体で、従来のビジネス書の読者層を拡大。「ビフォー神田昌典」「アフター神田昌典」と言われることも。『GQ JAPAN』(2007年11月号)では、「日本のトップマーケター」に選出。2012年、アマゾン年間ビジネス書売上ランキング第1位。著書に、『あなたの会社が90日で儲かる!』『非常識な成功法則【新装版】』『口コミ伝染病』『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』『全脳思考』『ストーリー思考』『成功者の告白』『2022――これから10年、活躍できる人の条件』『不変のマーケティング』『禁断のセールスコピーライティング』、監訳書に、『ザ・コピーライティング』『伝説のコピーライティング実践バイブル』『ザ・マーケティング【基本篇】』『ザ・マーケティング【実践篇】』などベスト&ロングセラー多数。