現代の女性の活躍が
未来の女性リーダーをつくる
しかし、それは女性の能力の問題ではなく、まず女性が育ってきた環境に一因があると思われます。女性は、小さなころから大人に「大志を持て」などと言われる機会も少ないですし、就職してからも、リーダーとして活躍する同性の先輩が少ないため、リーダーシップを直接学ぶ機会にも恵まれているとは言えません。
人間の意識の大部分は環境によって規定されていきますから、それまで歩んできた環境のなかに、「リーダーになること」や「大きな組織をつくって社会にインパクトを与えること」を当たり前だと思わせてくれるような人がいなかったということが、かなり大きな要因になっているのではないでしょうか。
NHK連続テレビ小説「あさが来た」の主人公のモデルになった大同生命創業者の広岡浅子さんは商家で育ち、子どものころから経営者たちの薫陶を受ける環境にありました。そうした環境のなかで育ったり、女性リーダーが活躍する姿を目にしたりする女性が増えていけば、女性のなかからも大経営者やトップリーダーがもっと生まれてくるはずです。
いままさにリーダーを務めている方は、メンバーが女性であろうと男性であろうと、ビジョンを語り、責任を持つ喜びをどんどん現場に伝えていただきたいと思います。