「後任リーダー」のことを
考えていますか?

すでに、若手経営者が率いる企業などでは、女性リーダーもたくさん生まれています。男女関係なくリーダーが務まる時代は、すでに目の前にまで来ているようです。
そうはいっても、いまの時代、まだまだ女性リーダーへの重圧は相当なものです。

私が初めて政府の委員会のメンバーになったのは、30代前半のことです。政府税制調査会の金融小委員会の委員という立場でした。委員会に出てみると、そこには大学教授や企業経営者、業界団体のトップなど、立派な方々ばかり。

「もし私が男性だったら、この席に座ることはまずなかっただろう……」と一瞬にして理解しました。当時の政府では、「審議会のメンバーの3割は女性にする」との閣議決定がなされていましたから、たまたま私にも委員の機会が与えられたのだと思います。

けれどもここで、「どうせ私は数合わせ。期待なんかされていない……」とは思わないように心がけました。

本当に期待されていなかったとしても、それを認めてしまったのでは、却って「期待するほどではない」というまわりの期待に応えてしまうことになります。

それではいけない。私は、自分のすることが次に同じ席に座る女性メンバーへの期待値を決める、と心得て委員を務めました。

(第21回へつづく・3月14日公開予定)

藤沢久美(ふじさわ・くみ)
シンクタンク・ソフィアバンク代表
大学卒業後、国内外の投資運用会社勤務を経て、1996年に日本初の投資信託評価会社を起業。同社を世界的格付け会社スタンダード&プアーズに売却後、2000年にシンクタンク・ソフィアバンクの設立に参画。2013年、代表に就任。そのほか、静岡銀行、豊田通商などの企業の社外取締役、文部科学省参与、各種省庁審議会の委員などを務める。
2007年、ダボス会議(世界経済フォーラム主宰)「ヤング・グローバル・リーダー」、翌年には「グローバル・アジェンダ・カウンシル」メンバーに選出され、世界の首脳・経営者とも交流する機会を得ている。
テレビ番組「21世紀ビジネス塾」(NHK教育)キャスターを経験後、ネットラジオ「藤沢久美の社長Talk」パーソナリティとして、15年以上にわたり1000人を超えるトップリーダーに取材。大手からベンチャーまで、成長企業のリーダーたちに学ぶ「リーダー観察」をライフワークとしている。
著書に『なぜ、川崎モデルは成功したのか?』(実業之日本社)、『なぜ、御用聞きビジネスが伸びているのか』(ダイヤモンド社)など多数。
Facebook:https://www.facebook.com/kumi.fujisawa.official