「長年のご愛顧誠にありがとうございました」。2月27日、イオンモール太田(群馬県)に大手名門アパレルであるワールドの「ハッシュアッシュ」や、同イトキンの「アー・ヴェ・ヴェ」の「閉店のお知らせ」が張られる中、同モール内の目と鼻の先では、「アメリカン ホリック」が1号店をオープンした。
「アース ミュージック&エコロジー」などで急成長するストライプインターナショナル(旧クロスカンパニー)のブランドだ。
実はこのイオンモール太田での“鉢合わせ”は、神様のいたずらばかりが原因ではないようだ。
この1年ほど、大手アパレルは経営の抜本改革に動き、ブランド閉鎖や店舗撤退を進めている。例えば、前述のワールドは2016年3月期中に400~500店舗を閉店する予定。今年2月にファンドの支援下に入ったイトキンも、早期に400店舗規模の縮小を進める計画だ。
石川康晴・ストライプ社長は、こうした大量に出る大手の跡地をこのアメリカン ホリックで狙うと公然と宣言しているのである。
アメリカン ホリックは30代の女性をメーンターゲットとするカジュアルブランドで、価格はデニムで4000~6000円程度とリーズナブル。かつて流行し、今の30代以上がこぞって買った「ライトオン」などの“におい”を取り入れつつ、彼女らが年を重ねた今、求める日常着を展開する。