そのご指摘は全く当たらない。ジャーナリズムは会社の柱であり、ジャーナリズムを続けるためにこそ経営基盤を強化する必要があります。従来の(スクープ発掘型の)調査報道も大事にしつつ、例えば子供の貧困をデータや政策の不備からあぶり出すような課題解決型の報道も強化します。

──朝日の記事もヤフー!ニュースに配信されますが、存在感は薄い。双方向型のインターネットメディアの隆盛にどう対応しますか。

 ネット対応に消極的なわけではありません。紙なら地方版にしか載らなかった地元の祭りの記事でも、動画と共に「朝日新聞デジタル」に掲載すると、数百万回再生された。ヤフーは読者の必要に応じて発達してきたわけで、われわれも、朝日のサイトならこれだけのコンテンツがある、というところを目指さないといけません。

──原発事故の「吉田調書」と、いわゆる従軍慰安婦関連の報道については今でも批判があります。

 吉田調書は、政府が公開しなかった文書を入手した点は素晴らしいのですが、その後の現場取材が足りなかった。「命令に反して」との見出しはミスリードで、私がもしデスクなら、あの原稿は通さなかったでしょう。

 慰安婦関連の証言は他紙も報じており、朝日だけが書いたと批判されるのはどうか、との思いもありますが、それは他紙が自分で考えることです。朝日は今後も、慰安婦をめぐるさまざまな議論を萎縮せず書いていきます。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)