4月から始まる電力自由化。賢く電気料金プランを選べば、消費者は間違いなく“節約”が望めるものの、すでに200を超えるプランが乱立しており、そのメリットも「電気料金の減額」から「他ポイントへの還元」まで多岐にわたる。早くも、どれを選べばよいかわからない状態だ。私たちは、実際どのようにしてお得なプランを見つけるべきなのか。識者に取材しながら、プラン選びの基礎知識をまとめよう。(取材・文/有井太郎、編集協力/プレスラボ)
200を超えるプランが乱立!
「電気料金選び」3つの条件
「ネット料金が割引きされたり、ガソリン代が安くなったり。これではどの電力プランが一番良いのかわからない……」
「電力自由化」がいよいよ迫ってきた。これまでは地域ごとに電力会社の管轄が決まっていたが、4月からはその縛りがなくなる。さらには、通信会社や旅行会社など、「新電力」と呼ばれる異分野の企業が参入。その中から、自分たちの好きな企業や電力プランを選べるようになる。
電気は誰もが使うライフライン。それだけに、これまで一方的に決められていた電力会社と料金を、自分で選んで効率化できるのはうれしいところだ。がしかし、電力自由化の発表以降、あまりに数多くの企業が参入に手を挙げたことで、選べるプランが膨大に膨らんでしまった。その結果、何を基準にサービスの良し悪しを判断して決めればいいか、見当がつかない状況だ。「まるで携帯電話の料金プランみたい」とため息をつく向きも多い。
たとえば、電気料金プランの比較を行えるウェブサイト「エネチェンジ」を見ると、3月22日時点で33社による216個ものプラン が掲載されている。東京エリアだけでも、16社あるのが実情だ。
数が多いだけでなく、契約時のメリットがバラバラなのもプラン選びの難易度を上げている。エネチェンジの広報を務める荻原朋実さんによれば、「現状の電力プランにおけるメリットの形は、大きく分けて3つある」という。その3つが次に挙げるものだ。
(1)電気料金そのものが割安になる
(2)他のサービスが割引きになる(ネット利用料、ガソリン代など)
(3)各種ポイントに還元される(Tカード、楽天カードなど)
「各社から出されているプランを見ると、この3つのメリットが複合されているものが多いですね。これらをトータルした節約額を考えながら、自分のライフスタイルに合った節約プランを選ぶ必要があります」(荻原さん、以下同)