ジャンケンは決して公平ではない

 私は、「かばん持ち」をしている社長と「1対1」のジャンケンをします。
負けたほうが、ランチやコーヒー、お酒をおごるのが決まりです。

 ガソリンスタンドやTSUTAYAなどのフランチャイズを展開する株式会社佐藤商会(東京都)の黒岩禅執行役員は、無謀にも「全勝する」と宣言をした。

「カチン」ときた私は、返り討ちにした(笑)。経営サポート会員だった銀座の高級クラブ「叡(えい)」では、「どの手で黒岩さんが負けるか」をあらかじめコースターの裏に書いてからジャンケンをした。

 ジャンケンのあとでそれを裏返すと、黒岩さんとホステスは驚きの声を上げた。そのとおりの結果だったからです。

「小山さんは、私の一挙手一投足から客観情報を集め、その情報をもとに仮説・検証していたんです。たとえば、『いつもはハンバーグを真ん中から食べるのに、今日は端から食べていた。真ん中から食べるときはグーを出している。でも今日は端から食べているから、グーは出さないだろう』と仮説を立て、私のトレンドを見ていたんですね。ジャンケンは公平ではないことが身をもってわかりました」(黒岩執行役員)