今年初旬、Netflixが自社サービスのクラウドへの移行を完了した。同じ時期、韓国政府は、公共機関や金融機関でのクラウド利用を解禁。昨年暮れには「クラウド発展法」を制定し、クラウドサービスを新たな“輸出品”に育てようとしている。世界のクラウド市場では、すでに巨大なプレーヤーが覇権を争う中、韓国産クラウドはどのような差別化を行っていくのだろうか。

動画配信先進国の韓国に
Netflixのインパクト

あらゆる国で場所選ばずストリーミング配信が楽しめる環境が整ってきた ※写真はイメージ pixta_21003227

 世界中に6500万人超の有料会員を持つ動画配信サービス・Netflixが2016年1月、韓国にもやって来た。サービス開始と同時に、予想以上の話題になっている。

 韓国は、1996年からテレビ番組をインターネットで再放送する動画配信先進国だ。国内にはすでに、ストリーミング配信サービスが山ほどある。しかし、それでもなおNetflixが注目を浴びたのは、「シンプルな会員登録」「シンプルな料金プラン」「広告なしですぐ始まる」という3つの理由からだ。

 Netflixと国内のストリーミング配信サービスの違いに驚いたユーザーたちはもちろん反発、奇しくも国会で動画配信事業者の広告が多すぎるという問題提起がなされていた時期だった。お金を払ってもなお、視聴前後と中間広告を合わせて、番組1本(60分)当たり5回も広告が登場する。スマートフォンで視聴する場合などは、データ通信料もばかにならない。

 このように、韓国の動画配信サービス業界に一石を投じたNetflixであるが、実はもう一つ大きな影響を与えた業界がある。クラウドサービス業界だ。

 Netflixは2016年2月、およそ7年かけて、コンテンツ提供・配信サービスを自前のデータセンタからアマゾンのクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」に移行したと発表した。

 以降、同社はコンテンツ配信から顧客管理、ビッグデータ解析に至るまでのあらゆる業務をAWSで行っている。