オバタ いまや空き時間に構内をブラブラしている学生は減っているから、そういう雰囲気の違いもあったんじゃないですか?

さん そうですね。特に、どの大学でも新しくできる教室棟の1階には必ずといっていいほどラウンジが用意されていて、みな、そこでパンを食べたりして空き時間に集まっているようです。いまは学部別に一層ミクロな価値観の形成やコミュニティが出来上がっている印象です。「国際学部はかきあげ女子が中心」「工学部の人は二次元好きだと友だちが作りやすい」みたいな。サークル棟などにも、行くとしたら授業が終わった夕方以降で、昔のように昼間からそこでダラダラしている人は少ないようでした。

Uさん 慶應の場合も、おもに3~4年生が通う三田キャンパスになると溜まり場がなくなるから授業だけ出てすぐ帰る人が多いそうですけど、日吉キャンパスの様子はちょっと違ってました。サークル棟からあぶれてしまったグループは食堂棟の上のスペースを使っていて、そこが完全に溜まり場になっていましたね。1年や2年は、そこで仲良くなる人も多いようです。

オバタ 慶應の運営がうまいところだね。

“オシャレ”と好感度を上げてきた
意外なダークホースとは?!

オバタ ところで、ここのところNHKの朝の連続テレビ小説「あさが来た」の関係で女子大に関する取材を立て続けに受けたのですが、Tさんは女子大を中心に回ってもらって今年はどうでした?

Tさん 昨年から1年でガラッと変わったという学校はありませんが、全体として女子大を出て就職しないで結婚っていうルートはほぼなくなったと思いますね。一般に“お嬢様学校”と思われている白百合あたりでも、白コートに髪はゆるふわ〜なお嬢様ぽい学生さんが今も多い印象ですが、教員養成課程を学科学部にしたり、昔と比べるとキャリア形成に力を入れている感じですね。

オバタ 女子大が共学に押され気味な傾向は、長らく変わりませんよねえ。
 一方で、受験生の親世代が大学生だった頃昔はどう考えてもバンカラ系だったはずの法政が、最近、女子学生たちに“おしゃれな大学”だと思われていたりして、あまりにイメージが変わっていて驚かされるよね。18年間『大学図鑑!』をやってきて、劇的に変わったのが法政だと思う。しりあがり寿さんが以前描いてくれた「ノーフューチャー!」とロックバンドが叫ぶみたいな光景は過去のものとなりました。「貧乏人くささを守る会」というのも今はないし。

Tさん 法政の理系学部がいる小金井キャンパスは、すごく取材しづらかったですけどね(笑)。みんなつるんでいても、ノートPCの画面をみながら勉強したりゲームをしたりしていて。

Uさん そういうところ、ありますよね。筑波の理工系も、女性のライターだと取材しづらい雰囲気だったかも。