そして製薬会社が儲けだす。
―― この本は気候変動で儲けているケースをたくさん提供してくれますが、“Windfall”(オリジナルのタイトル)を出してから2年少し経ちます。本には書かれていない新しいケースはありますか?
ファンク 本を出してからまもなく、バイエルという薬品会社を調べていました。気候変動のインパクトがどれくらいあるとバイエルが考えているのか、彼らは公表しました。その1つが「アレルギーの薬がもっと必要である」ということです。春になると花粉が飛びますが、温暖化によってその量がもっと増えますから。さらにマラリアやデング熱、最近ではジカ熱など、蚊を介する病気が増えているので蚊帳の必要性ももっと出てくるだろう、と。バイエルのことは本でも言及しましたが、深く書くことはできませんでした。いろいろ起こったのは、本を出した後でした。
―― 温暖化によって増えるであろう花粉症やジカ熱などで、製薬会社が儲かる可能性がある、ということですね。
ファンク 他にも、天候保険を売っているClimate Corporationという会社があります。今は巨大企業のモンサント社に10億ドルで買収されました。将来の天候について、私たちは少しは予測できますが、温暖化により天候を予測するのはますます難しくなっています。だから彼らは農民に天候保険を売るのです。これが悪いことかどうかわかりません。シェルについても新しいことが起きました。シェルは北極を掘削しようとしましたが、うまくいかず撤退しました。
―― この本は、気候変動や地球温暖化について、読者に新しい視点を与えたと思います。どうもありがとうございました。