マイナンバーの導入で役割が拡大
社会インフラになるコンビニ

 店舗数の増加や売上高の高まりとともに、存在感を増すコンビニ。単なる小売店としての役割にとどまらず、他業態を取り込むなどしながら事業領域を拡大し続けている。

 たとえば、銀行ATMの設置による金融サービスの提供や、公共料金の収納代行といった生活サービスの提供については、すでにほとんどのコンビニで実施されているのでご存じだろう。今では、住民票の写しや印鑑登録証明書の発行といった行政サービスの提供まで手がけるコンビニも増えた。

 さらには自治体と連携し、商品宅配サービス時における高齢者の見守り活動や、認知症サポーターの養成といった高齢化社会に向けた対応、無料Wi-Fiや外国語パンフレットの設置など、インバウンド(訪日外国人)への対応を強化している。

 特にマイナンバー制度の導入により、行政書類の交付サービスなどは一層広がるものと期待されており、コンビニはすでに経済や行政、物流など、各種サービスを提供する「社会インフラ」になったとも言える。

 コンビニ各社が加盟する一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会は、2009年に『社会インフラとしてのコンビニエンスストア宣言』を取りまとめた。この中では、環境負荷の低減や消費者の利便性向上に加え、まちの安全・安心や地域経済の活性化など、地域社会への貢献をその取り組みの目標に掲げている。

 実際、一企業の枠を超え、コンビニのインフラ化は進んでいる。2011年の東日本大震災時には、被災地への緊急支援物資の迅速な提供、都心部における帰宅困難者への水道水やトイレの提供など、今や“ライフライン”としての機能を有していることも明らかになった。

 最近では“コンビニエンス(便利)”というより“エッセンシャル(必要不可欠)”な拠点とコンビニを評する人もいる。しかし、コンビニが日々の生活に欠かせないインフラとしての地位を確立すればするほど、かえって自宅近くにその店舗がない地域の住民にとって、その不便の度合いが強まることも懸念されるのではなかろうか。

 自宅から徒歩圏内にコンビニが立地しておらず、不便な思いをしているコンビニ難民。果たしてどれくらいの数が存在していて、どの地域に多いのか。拙著『コンビニ難民』(中公新書ラクレ)にてその現状把握を試みた調査結果を、一部紹介したい。

 なお当データは、2015年7月時点における主要コンビニチェーンの店舗立地と、高齢者の居住地域の地理的関係から、その店舗網がカバーする徒歩圏人口を導き出している。