ゴールデンエイジに何を教えるか

 ビジネスにおけるゴールデンエイジ(入社1~2年目)には、業務の具体的な内容(「やり方」や「方法」)はもちろんのことですが、その前(または、それと同時)に「あり方」「心構え」「あらゆる業務に共通する基礎知識」といったビジネスの基本や常識も教える必要があります。

 なぜなら、この時期にこれらを教えないと取り返しがつかなくなるからです。

 ある程度、入社年数の経った社員に、これらのことを教えても手遅れです。もう簡単に修正がきく年齢ではありません。

 また、これらの基本や常識は、今後、部署が変わっても、支店が変わっても、担当するエリアが変わっても、職種が変わっても、また会社が変わったとしても通用するものです。

 以降では、ビジネスにおけるゴールデンエイジに身につけるべきポイントを説明します。

入社後数年は試されている
時期であることを自覚させる

 入社してしばらく(少なくとも数年)は、社内の人たちからも、社外の人たちからも「試されている時期」にあるということを若手社員に教えてください。これを知らないと、ちょっと嫌な目にあったり試練にぶつかると、その人を怨んだり、すぐにあきらめてしまったり、腐ったりしてしまいます。

 運よく希望の部署に配属され、意気揚々と出社しても、始めの頃は資料の整理をさせられたり、コピーやホチキス止めなどの雑用ばかりを頼まれたりします。

 これらを通じて、仕事の流れや職場の人間関係などを学ぶ時期なのですが、彼らにはそう認識できていない人が多いようです。

 ですから、上司である皆さんが、そういう時期にあることを教えてほしいのです。

 一事が万事です。単純な作業ひとつ見ても、彼らの「人となり」がわかってしまいます。

 この時期、周囲の人たちは、アウトプット以上に、日々の何気ない言動や業務に取り組む姿勢を見ています。

 そのときそのときのひとつひとつの対応が、「真実の瞬間」であり、その些細な言動に、その人の本性や人柄が現れているからです。