1つの集合住宅内にバラバラに分散

 3番目は、「分散型サ高住」。サ高住に課せられた「見守り」と「安否確認」の業務拠点をサ高住から離れたところに設けたものである。逆に考えると、「分散」した複数のサ高住に1ヵ所のサービス事業所から見回ればいいことになる。分散するサ高住への距離は、サービス事業所から500m以内という制約はある。

 この新基準によると、サ高住の建物内にサービス事業所設けなくてもよく、さらに複数のサ高住の業務を兼務でき、相当に効率性が高まる。マンション群や駅前の雑居ビル、あるいは住宅団地などでの適用が期待される。

 代表例が、東京都板橋区内の高島平団地で実現させた「ゆいまーる高島平」である。株式会社のコミュニテイネットが、11階建ての1棟の30の空き室をサ高住としてバリアフリー改修し、賃貸事業を営む。

 30室は各階に点在しており、そのドアノブ近くに木製の手すりを取り付けていることでサ高住と分かるが、それ以外に外見からは見分けようがない。サ高住が、ひとつの集合住宅内にバラバラに存在するのも極めて珍しい。

 では、「見守り」と「相談」のサービス事業所はというと、この棟とは別の近くの棟の一階に設けた。かつては、商店街の一角であり、居室よりかなり小さいので家賃負担は軽くて済む。サ高住入居者が、渡されている小さな通信機のボタンを押せば、この事務所に信号が伝わり安否確認となる。

 高島平団地は40年以上前に建てられ、当時は「東洋一の威容」を誇った大団地。育った子どもたちが退去すると高齢化が一挙に進み、いまや高齢化率は50%を超えてしまった。空き室も多い。

「分散型サ高住」を適用する格好の舞台である。ここがモデルとなり、全国のニュータウンや住宅団地で同様の取り組みが広がればいい。だが、高島平団地はUR都市機構の中でも例外的な事例のようにみえる。多数の賃貸住宅を管理するUR都市機構の姿勢がまだ及び腰なのが残念だ。