BBC、ワーナーなど世界の一流企業でコーチングを行ってきた著者が、その手法を徹底解説。一瞬で「やる気」を手に入れるための8つの方法とは? 『瞬間モチベーション』よりモチベーション低下に悩む人に役立つコンテンツを公開していきます。第4回は集中を遮られることなく仕事をするためのコツについてです。

ビジネスパーソンは仕事を遮られすぎている

私のクライアントはよく、職場で最大の問題は気が散ることだといいます。今の瞬間に集中するのが難しいというのです。

グロリア・マーク博士の研究によると、平均的なビジネスパーソンは、3分おきに仕事を邪魔されます。1時間にすると20回も仕事が中断するのです。また、一度集中が途切れると、元の仕事に戻るには平均25分かかるとされています。

ひっきりなしに邪魔が入ると、フローの状態になれる時間は減り、その穴埋めをするために短時間で多くの仕事をこなそうとするので、仕事の楽しさも失われます。そして仕事の質も低下します。

では、仕事の邪魔はどこから入ってくるのでしょう。興味深いことに、その半分は、邪魔をされた人自身が招いたものだと報告されています。これは極めて道理にかなった調査結果と言えるでしょう。ほとんどの人は、自分の思考が、気が散る最大の原因であることに気づいていません。私たちの心の中で起きている絶え間ないおしゃべりは、非常に大きな引力を持っていて、説得力が感じられるときさえあります。

私たちは自らフロー状態から離れて、自分の生産性や有効性を低下させているわけです。でも、その流れは、たった一つの思考で覆すことができるのです。

頭が猛烈に働いているとき、あなたはどのように時間を経験しているでしょう。

焦っているときは、時間が足りないと感じたり、あっという間に時間が経ってしまうと感じたりします。でも、現実はその反対です。あなたの思考が、心のエンジンをかかったままにし、パニック状態を生み、それがあなたの現実になっているのです。こうした感情を真に受けると、仕事が雑になったり、急いで決断を下そうとしたりして失敗する可能性があります。