2、忠実なる「弟分」

 有能な上司に気に入られているおかげで、上司が出世するのに合わせて自動的に出世できたというラッキーな人。下からは存在価値がわからなくても、上司から見ると何か響くものがあるらしい。もともと大学の後輩や過去一緒の組織で汗を流した仲だったなどで、いい「怒られ役」として機能しているケースも多い。この二人は心の深いレベルでつながっているから、「弟分」にはどんな罵詈雑言を浴びせたところで平気。だから、彼以外の人に聞かせたい説教を、あえて彼に向けて言うこともできる。使いようによっては非常に「便利」なのである。

3、バランサー

 個性の強い役員たちの中で、よく人の話を聞き、落としどころを探ってくれる、緩衝材であり、バランス役を務めている人。普段は自己主張もあまりすることもなく、自らイニシアティブをとって何かを進めることもあまりない。役員内部の事情を知らない部下の立場からはバランサーの価値は見えにくいが、会社への貢献度は実は高いことが多い。

4、ザ・サラリーマン

 出世のため、「これ」と見込んだ上司に気に入られるためなら何でもやる。ただし、誰の側につくのがいいか、風見鶏的に「風」を読むので、特定の上司に対して忠誠心があるわけではない。状況が変われば、さっさと手の平を返す目的合理主義者である。下からは嫌われるが、出世のために、それなりに成果を残すことも多いので、偉くなることに対して周りからの一定の納得感はある。ただし、義理と人情が大事な日本の組織の中では、このタイプは役員まではいけても、なかなか一番上までは上がれない。

5、パワーバランスの妥協の産物

 派閥争いの結果、「○○派」と「××派」の均衡を崩すよりはマシ…ということで選ばれた、人畜無害の「いい人」。飛び抜けた長所はないかわりに欠点も少なく、人柄的にも「あいつなら(嫌いじゃないし)いいか」と思われている。崩壊した会社の内幕本にはほとんどといってよいほどこのタイプが登場し、クーデターなどの取締役会での票読みで重要な役割を果たす。