年初に中国を中心に広がっていた世界景気の悪化懸念が徐々に後退し、国際商品相場の上昇につながった。19種類の国際商品で構成されるロイター・コアコモディティーCRB指数は、2月の底値から4月末には19%上昇し、昨年11月下旬の水準を回復した。
原油については、4月17日に18の産油国がカタール・ドーハで会合を開催し、増産凍結をめぐって協議したが、サウジアラビアがイラン抜きでの合意に反対し、合意は見送られた。増産凍結を見込んで原油は買われていただけに、翌日の原油相場は下落した。
しかし、その後は、原油相場の水準が依然低いことや、シェールオイル減産などを受けた年後半の原油需給の引き締まり観測などから、上昇傾向で推移した。
金は、1~3月期に四半期ベースでは約30年ぶりとなる16%の大幅上昇を記録した。その後も、米国の早期利上げ観測が後退する中で、金利を生まない金に安心買いが入った。
日本銀行が追加緩和を見送り、各国に株安が波及したことや、米国の実質GDP(国内総生産)成長率が市場予想を下回ったことも、安全資産である金への需要を強めた。金価格は、5月2日に1オンス=1300ドルを突破した。