タダ乗りメンバーを産まない
理想的集団の持つ仕組み

 1つこれらの会社に共通しているのは、皆その理念に深く賛同していることだ。そして自分に「自己効力感」がある。つまり、自分は組織の役に立っていることを実感している。そのための「しくみ」を組織は提供しているだけだ。

 そしてそのような人々が集まると「タダ乗りなんてことはしないのが当たり前」という集団規範を生む。ある種の「プライド」である。そうなると、その「プライド」の重さに負けたものは、自然と組織から離れて淘汰される。新たに入ってくる者も、知らず知らずの内に「プライド」が身に着く。

 それが、組織を存続させる。強烈な集団規範を良い方向で活用しているのだ。だが、この仮説では、まだ現代生物学理論を覆せない。その裏に、まだカギとなる秘密があるに違いないと筆者は考えている。

 もうひとつ言えることは、社員を管理し、絞り取ることで利益を得ているブラック企業の社員は、それに疲れ、やる気を失い、隙あらば「タダ乗り」を目論もうとする「ブラックマインド」を醸成してしまう。そんな社員ばかりだと、会社は成り立たない。したがってその企業はますますブラック化せざるを得ない。「会社のためになんか働くかよ」という全く逆の集団規範が作られてしまう。その悪循環には多くの組織が簡単にはまってしまうのだ。

 管理職や経営者は、その罠にはまらない知恵を絞る時期に来ていると筆者は考えている。事実、性善説なのにフリーライダーを産まない組織は実在するのだ。絵空事ではない。ブラック企業が増えれば、日本という国自体の将来が危うくなるのだ。