女性キャリアに重くのしかかる
「粘土層」と呼ばれるオジサン社員
「粘土層」という言葉をご存じだろうか。
先般、数百名を超える「女性リーダー」と呼ばれる方たちの集いに招かれ、フリーライダーに関する講演会を行なった。その際に、彼女たちから教わった言葉が、この「粘土層」であった。
粘土層とは、自分たちよりも上のポジションにいる年嵩(としかさ)のオジサンたちで、使えないくせにベターッと粘土のように貼り付いている人たちの総称らしい。
女性の方々の話をうかがうと、この人たちが上に貼り付いているせいで、一定のポジション以上に、女性が昇進する機会が閉ざされているという。重くて隙間がないから、キャリアチャンスを求める女性にとっては、まさに「粘土」である。
・粘土なので、風通しが悪く、組織の健全なコミュニケーションの障害になっている。特に中間管理職として存在していると、経営トップと自分たちとの意思疎通の障害になる。
・粘土なので、重く、固まっていて、新しいことや挑戦的な取り組みに動こうとしない。スピード経営、企業革新の障害になっている。
・粘土なので、見上げれば、鈍い灰色の空の色。この人たちが貼り付いているせいで、希望の青い空が見えてこない。
オジサンのフリーライダーは、女性社員からおおむねこんな評価をされている。
世のオジサンたちにはとっては厳しいご意見かもしれないが、女性から見た存在の重さと詰まり感と色感をうまく捉えた、女性らしいセンスのあるコピーだと思った。彼女たちにとっては、まさにこの粘土層が自分たちに重くのしかかる会社の「フリーライダー」なのである。