まず道南最大の都市である函館は、歴史のある土地であること、また最も本州に近いことから、札幌ではなく東京を意識する傾向が強いらしい。なかには、札幌のことを「奥地」という人もいるそうだ。最初はよそ者に対して抵抗感もあるが、入り込んだら仲間意識を持ってくれ、地域の結束力も強い。

なぜ北海道民に「おすすめの店」を聞いてはいけないのか旧北海道庁、時計台、羊ケ丘展望台など、札幌は魅力的な観光地も満載だ

 一方、奥地と呼ばれてしまった札幌は、なんと言われようが北海道最大の都市であることに変わりはない。いろいろな変化を受け入れてきた土地であるため、外の人にもオープンで、交通網も発達しているため、道外から移り住んでいる人も住みやすい環境のようだ。

 道央の主要都市であり、ラーメンや旭山動物園で有名な旭川。旭川の人々の一部は、絶対にそんなことはないのにもかかわらず、旭川は「札幌より都会」と思い込んでいるらしい。なので、あまり札幌のことを持ち上げるような発言を旭川出身の人の前でするのは控えよう。

 そして広大な農地や牧草地で知られる帯広などを含む十勝地方は、以前から民間が開発を主導して発展し来た街であることから、地元企業への愛着度が半端ではない。「十勝モンロー主義」で知られるように、自分たちで開発してきたという自負が強く、街に誇りを持っている。だからこそ、外に出たいと思う人はあまり多くないそうだ。

 それぞれの地域で差はあるものの、最初はつっけんどんで人見知りなのに一度入り込むと面倒見が良くてあったかいのが北海道民。“自分たちの町が一番”という自信を持っており、離れたくないという思いから愛着も深い。北海道が「愛着度ランキング」1位の所以は、ここにあるだろう。さらに、本州と離れていることから、他の都道府県のことをよく知らず、だからこそ北関東3県に代表されるような競争意識も全くないそうだ。

 しかし、北海道内のビジネスで「成功しているのは外から来た人が多い」(田中さん)というから、これは元々の道民が自分たちの良さに気がついておらず、ビジネスチャンスを生かし切れていない証拠。冒頭の女性のように、東京などに来て初めて魅力を知るケースが多いのはそのためだろう。

 北海道に開拓民がやってきた時代から脈々と続いているのかもしれないが、外から来た人の力も借りて常に発展し続ける。それが北海道の不動の1位を支える秘密かもしれない。

(ダイヤモンド・オンライン編集部 林恭子)