そのほか、値引きが必要なものに生鮮食料品や季節商品があります。
保存・保管が許されないので、鮮度が保てる期間内で売り切ってしまわなければなりません。売れない在庫を抱えるよりは早めに処分して現金化する必要があります。生鮮食料品には「タイムセール」がつきものですし、季節商品なら来シーズンも売れそうな定番品(そんな商品があればですが)を除いてバーゲンセールをします。
もちろん、正常な利益の見込める定価で売ることが何より大切なので、販売チャネル、販売方法、販売数量、広告宣伝方法、包材の工夫など、一つひとつ見直してみることをおすすめします。
なお、不当な値引き(不当廉売)は独占禁止法で禁じられていますので注意してください。採算を度外視した安売りでお客様を獲得しようとするのは、適正な競争を乱すということなのです。正当な理由がなければ、異常な値引きはやめましょう。
公認会計士・税理士。株式上場準備コンサルタント。
1954年静岡生まれ。1976年早稲田大学商学部卒業後、朝日監査法人(現・あずさ監査法人)などを経て、安本公認会計士事務所を設立。1990年(株)ファーストリテイリング(旧・小郡商事)の柳井正社長と出会い、以降、株式上場準備コンサルタント・監査役として、同社の成長を会計面から支えてきた。現在、アスクル(株)、(株)リンク・セオリー・ジャパン、(株)UBICの監査役でもある。2013年3月まで6年間にわたり中央大学専門職大学院国際会計研究科特任教授を務めた。2014年5月より若手経営者向けの勉強会「未来経営塾」を開講している。
(本連載は毎週金曜日更新。次回は7月1日(金)公開予定です)