中古再生のことをリノベーションと呼ぶのは、今や常識となりつつある。この言葉が急速に広まる引き金を引いたのが、09年7月のリノベーション住宅推進協議会発足だった。「本格的なストック活用の時代が来る」「リノベーションで、住まい・暮らしをもっと豊かに」――志を胸に立ちあがった協議会メンバーは、この1年でどんな成果をあげたのか。そして今、新たにどんな取り組みを行なっているのか。協議会の内山博文副会長に聞いた。

09年首都圏で産声をあげたリノベーション住宅推進協議会は、1年2ヵ月後、全国組織へと成長していた。現在は東海、関西、九州、中国地方に支部があり、さらに組織拡大していく勢いだ。
協議会メンバーは約300社。建築関連企業や不動産関連企業だけでなく、学識者や自治体まで名を連ねており、「協議会はどう動くか」に全国から注目が集まる。
「私自身、この1年で何回、国土交通省に足を運んだか数えきれないくらい、頻繁に意見交換しましたし、先方からも積極的に現場に来ていただきました。協議会は行政を巻き込んで大きな動きを起こしている――そう思っていただけていることも、原動力になっています」(内山副会長)
協議会は昨年、リノベーションの品質を確保するための統一規格づくりから動き始めた。協議会が定める優良なリノベーションが施された既存住宅は、「適合リノベーション住宅」と呼ばれ、検査(インスペクション)に基づいた工事のうえ保証、住宅履歴が付帯し、適合状況報告書が発行される。