仕事に家庭に両立すべきことが全世代中、最も多い40代。時間の調整スキルの差とは別に、余計なことばかりやらされている人と、やりたいことばかりやれている人の違いはどこにあるのだろうか?シリーズ最新作『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』から、一部を抜粋して紹介する。

【後悔リスト19】会社や家庭に振り回されて、自分の時間が取れなかった

 両立世代の40代は、日々の生活の中で仕事や家庭のバランスを取ることが多くなります。バランスが取れないと、どんどん自由になる時間は減っていくので、時間の調整能力は40代にこそ必要なスキルだといえます。

 50代以上で後悔している人は、時間の使い方を改善する方法や調整スキルを40代で学ばず、「諦めの境地」というか、最後は「仕方ない」とうやむやにしてしまった人ばかりです。

 時間の調整スキルは、これまでご紹介してきた計画術や習慣術、仕事術、マネジメント術などですが、今回は少し違うアプローチから自分が置かれた環境をつくり出す方法も紹介しておきましょう。

 それは、自分のポジショニングをあえて変えるという方法です。仕事ができる人というのは、例外なく自分が働きやすい環境を自らの手でつくっています。それは自分のキャラクターづくりやブランドづくりに成功しているからともいえるでしょう。職場にかかわらず、家庭内でのポジショニングでも同じことがいえます。相手に「まあ、仕方ないね」と思わせれば勝ちだったりするのです。

 得意ジャンルが明確な人は、必然的にそういう仕事が舞い込んできます。その一方で、これといった得意ジャンルがない人には、余計なものが回ってきます。逆にいえば、自分がやりたいことで周囲に対してイメージ統一ができれば、やりたい仕事が増えて、余計な仕事は減っていくというわけです。

 もちろんゼロにはならないでしょうが、悠々と好きなことをやり、ストレスなく成果を上げている人がいるという事実は、多くの示唆を含みます。うまくいっている諸先輩を目にするに、彼らは自分がいる環境をどう自分好みにつくり変えるかということを、だいぶ戦略的に行っているのです。それが結果的にバランスの取り方にもつながっています。

 仕事でも家事でも、やるべきことはその人の特性のもとに集まってきます。赤色の仕事は赤い人のところに、青色の仕事は青い人のところに集まります。組織とは、各人の強みを活かすことが目的ですから、必然的にそうなるのは当たり前です。仕事を振るときも、苦手な人にあえて苦手なものを集中させることはしません。

 しかし、多くの人は自分が何色なのかがわかりません。よって、周りの人もその人が何色かわからないので、違う色の仕事を振ってしまいます。それで結果が出ない、ダメだと烙印を押されてしまう悪循環に陥ることが意外と多いのです。

 もちろん、これはわかりやすい例えで、現実はそこまできれいに色分けされているわけではありません。しかし、好循環を生み出すためには、自分の強みを把握して、それを周囲にアピールすること、人より優れていることにフォーカスすることが自分のポジション形成の起点となります。

 40代になってポジショニングとかブランディングというと違和感を持つ人がいるかもしれませんが、40代にこそ「自分とは何者か」「どういう人間か」というのを明確にして、周囲に伝えることが必要なのです。