20代のPDCAは「D」がメイン、30代になると「P」の重要度が増し、一人で仕事を自己完結することが求められる。だがこの延長で40代を迎えた人は、「C」と「A」のスキルの足りなさが後悔のタネとなる。なぜ40代はPDCAのうち、「C」と「A」がカギとなるのか?シリーズ最新作『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』から、一部を抜粋して紹介する。
40代に限らず、仕事にはPDCA、つまりPlan(計画)→ Do(実行)→ Check(検証)→ Act(改善・再実行)が不可欠です。
しかしながら、実は30代まではPDCAサイクルを徹底しなくても、「D」さえきちんと果たしていれば、そこそこの業績を上げることができたので、さほど課題感を持つ人はいませんでした。極端にいえば、20代は「D」がメインで、「C」「A」は上司の仕事でもあります。「P」まできちんとできていれば、使える20代として評価されていたでしょう。
30代になると「D」がメインであることは変わりませんが、そこに「P」を加えて、一人で仕事を自己完結することが求められます。多くのビジネスパーソンはその延長で40代を迎えてしまうのですが、そのほとんどが「PDCAが徹底できなかった」と後悔することになります。
なぜなら、40代の多くはプレーヤーとしても、マネジャーとしても実績を求められるために、「P」「D」だけでなく、それまで以上に「C」「A」の部分が重要になってくるのに、この検証と改善・再実行を実践していないからです。
40代にとってPDCAのサイクルを回す際に、CとAができるかできないかの違いは極めて大きいのです。個人の仕事でいえば、どの年代でもPDCAのサイクルを回すことは重要です。しかし、40代になれば自分のこと以上に、部下の仕事の問題を見つけ、その改善策を提案し、実行してもらうことが求められます。そのときにキモとなるのは「P」や「D」より、「C」と「A」なのです。
PDCAサイクルは、「P」から始めると、たいがい誇大妄想が膨らむだけだったり、やりたいことだけ増えていって実現できなかったりすることがしばしばあります。しかも、実現できないことが繰り返されるとどんどん無力感を覚えるので、モチベーションまで落としてしまいます。
一方、「C」から始めると、つまり現実の問題から見つめ直すことから始めると、改善や次のアクションにつながって良いサイクルを回しやすくなります。理想論だけでもダメだし、現状を嘆いているだけでもダメ。いかに現実を正確に分析して、そこから何をするかを考えるというわけです。問題がわかればおのずと解決策もわかるといわれますが、現状から問題を見つける力が40代には強く求められるのです。