今や、管理職にはなかなかなれない時代である。最近、出版社では「プロデューサー」という、聞き慣れないポストが設けられ始めた。そこには、管理職のポストを減らそうとする人事部などの思惑がある。
長らくご愛読いただいた『負け組社員 リベンジの十字路』最終回は、編集長に憧れながらもそれが夢と消えつつある43歳の副編集長を紹介しよう。
20数年前、一流私立大学を卒業して世間が羨む大手出版社に入りながらも、出世競争に負けると最後はこうなるという、「悪しきサンプル」と言える。
あなたの職場にも、このような社員がいないだろうか?
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■今回の主人公――はい上がれない「負け組社員」
藤谷浩二(仮名・43歳)
都心にあるメジャー出版社の書籍編集部(部員16人)の副編集長をしている。しかし、年下の編集者が彼を飛び越えて編集長になった。昇格が遅れていることを気にしてストレスを抱え込む。最近は、年下の上司である編集長に部員らの後始末的な仕事を押し付けられ、一段と深く悩んでいる。
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(※プライバシー保護の観点から、この記事は取材した情報を一部デフォルメしています)
暗礁に乗り上げた仕事のギャラは?
ライターに詰め寄られる副編集長の窮地
ここは、あるメジャー出版社の3階の会議室。窓からは、皇居の方に向けて流れる川が見える。それをじっと見ながら、副編集長の藤谷浩二がつぶやいた。