自社の強みはお客様にしかわからない
【編集部】「A4」1枚アンケートを使用して業績が伸びた企業の具体例を教えていただけますか?
【岡本】たとえば、あるスーパーの事例をお話ししましょう。このスーパーはチラシをまいていたものの、年々効果が下がってきていました。そこで「A4」1枚アンケートを実施。お客様から見た「自社の強み」を知ることにしました。
「A4」1枚アンケートの「何が決め手となって当店で購入されたのですか?」の答えを見てみると、「魚の種類が多い」と驚くべき購入の決め手(強み)が書かれていたのです。
色々調べてみてわかったのは、実は大手スーパーは近隣の店舗と合同でチラシを印刷するため、どこの店でも同じように大量仕入れができる大衆魚しか置いていなかったのです。逆にこのスーパーでは、珍しい魚を少量でも仕入れていたため、それが強みになっていたのです。大手スーパーのほうが売り場面積も大きいので、てっきりさまざまな種類の魚が置いてあると思っていたのですが、実は種類の多さでは自分のところが勝っていたのです。
よく自分の強みに気づくためにマトリクスなどで自社分析を行いますが、本当の強みというのは「当たり前」とか「たいしたことない」と思っていることが多く、自分で考えても出てこないものです。ですから自分たちの強みに気づかせてくれるのは、お客様の声しかないのです。
このスーパーは年々売上が下がっていましたが、「A4」1枚アンケートを取り入れてチラシをつくり直したことで前年同月比1.5倍もの売上を達成したのです。
社員一人一人が
売上づくりに貢献する勉強会
【編集部】経営者の皆さんは「自分たちの強みは何か?」「お客様がなぜ自社の商品を購入してくれたのか?」といったことに日頃から問題意識をお持ちだと思います。しかし、社員やスタッフでそういう意識を持っている人は少ないのではないでしょうか?
【岡本】そうなのです。そこで「A4」1枚アンケートが役に立つのです。アンケートを取れば、自分の会社のどこに強みがあるのか、どういうお客様にアプローチしていけばいいのか、自社の課題は何なのかということが、誰でもわかります。ですので、社内で「A4」1枚アンケート実践勉強会を行えば、経営者と同じような問題意識を持った社員やスタッフを育成することができます。
スタッフ全員が自社の強みや自分たちのお客様のことを理解していれば、ちょっとした問い合わせの電話でも対応が違ってきます。そうした社員やスタッフ全員の一つ一つの細かい活動が積み重なって、全体的な業績に反映されていくのです。