今回の選挙では、メディアの多くが“改憲勢力で3分の2を伺う勢い”と報道しているが、自民が行った世論調査では『1人区では10以上も議席を落とす』と出ているという。

「しかし今回、選挙区では野党の選挙協力がうまくいきましたが、比例では統一名簿ができなかったので、野党はバラバラになっています。そのため与党への批判票がバラけてしまい、相対的に自民党がガッと得票を伸ばすことになるんですね。つまり、選挙区では野党が挽回しているものの、比例区では依然として自民が強い。与野党ともに、互いに気の抜けない選挙になるでしょう」

 いくつかの複数区においても、自民は候補者をだいたい2名出しているが、鈴木氏によると「1人目は大丈夫だが、2人目がギリギリの当落線上にいる」とのこと。1人区も含め、選挙区において野党が票を伸ばす可能性が高い以上、複数区でも自民党は気が抜けないといえるだろう。

 今回の選挙では、勝敗ラインがいくつも存在し、どれをもって「勝った」「負けた」と判断してよいものか、非常に分かりづらい状況となっている。

「ここまで、複数の勝敗ラインを挙げてきましたが、やはり、もっとも注目すべきは、『自民を中心に改憲勢力で定数の3分の2を占める78議席を獲得するか否か』というボーダーが、今後の政局を大きく左右することは間違いありません。憲法改正できないとなると、安倍首相の求心力は弱まりますし、本人のマインドも下がるかもしれません。そういった意味では、今回の参院選が非常に大きな分岐点となります」

 安倍首相の憲法改正を阻止できたとなれば、野党も大手を振って勝利を宣言でき、「勝った」という大義を得て、政権交代に向けて勢いがつく。つまり、安倍首相が自ら掲げる勝敗ラインである「自公で過半数」を満たせたとしても、改憲勢力で3分の2に達しなければ、安倍政権は終わりなのだ。目前に迫った参院選、各党の動きに注目したいところだ。