何も期待しない。でも最後まで応援したい
お互いに一番の味方だから

――貂々さんは精神的に行き詰ることはなかったのですか?

貂々さん:たまにあったと思います。そんなときは考えてもしょうがないので、とりあえず寝てやりすごしていました。あとは、ご近所に遊びに行って、愚痴を聞いてもらっていました。

 ツレさん:よくぷいっと出て行っちゃう。家にいると腐るからって。で、帰ってこない(笑)。でも、すごく太っ腹な態度で見守ってくれました。早くよくなれとか、仕事に就いてくれ、なんてことは一切言わない。彼女は働いているので、僕が家事担当なのですが、「やってくれれば嬉しいけど、できなければ別にいいよ」という態度。極端な話、一生治らなければ治らないでもいい。私は私で病気とは関係なく頑張るから――と。それは彼女の気遣いだったのかもしれないけれど、パートナーにさほど迷惑をかけていない、と思えたことは嬉しかったですね。

ツレさん:美術系の専門学校で出会った頃から、僕は彼女の漫画のファンでした。だから、「自分は自分で頑張る」という彼女を心から応援したいと思った。夫婦だからというより、1人の人間として。

――症状が改善してきたのは、2005年秋。そして、2006年12月には薬をやめられていますね。

ツレさん:そう、薬をやめる前の2006年11月には、会社も設立しました。彼女の仕事を管理するプロダクションのような会社です。すでに最低資本金制度が廃止になっていたので、お金がなくても作れると張り切っていました。会社設立の資料を読みまくり、すっかり燃え尽きましたっけ。

うつは「恩人」かもしれない
まさか子どもまで授かるなんて

――現在は、調子はいかがですか?

ツレさん:ごく普通に生活しています。家事をしたり、株式などの資産管理の研究をしたり。ただ、天気の悪い日は調子を崩しやすいので、ちょこちょこ昼寝したりしています。

貂々さん:ちょっと目を離すと無理してしまうので、注意しているんですよ。

――ところで、これからはどんな生き方をしたいですか?

ツレさん:うーん、1週間後の運命もわからないですからね。じつは、ずっと原因不明の貧血に悩んでいたのですが、うつの療養をしていたら、自然に治ってしまったんですよ。そうしたらいきなり子どもができまして。来週、誕生する予定です。